横浜スケッチ(第1回) エリスマン邸から
ペンネーム 成見 淳
人生はそれ自体が表現なのだろう。仕事も趣味も、道を歩く姿さえも。
私のような粗・野・卑(註:そやひ。元国鉄総裁の石田礼助の「私は粗にして野だが卑ではない。」という言葉を念頭に置いています。)な人間でも何かに感動し、それを表現したいと思うことがあるらしい。「善人なおもて成仏す。いわんや悪人をや。」(親鸞) の、悪人が仏を求めるようなものか。
1990年11月にルノアールの「少女」(イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢 1889年)が横浜に来ると知った時、小学校の教科書の絵をずっと見入っていたあの時の少年になっていた。30数年ぶりに初恋の人に会ったようなものだが、額の中の少女は全く変わっていない。1世紀以上も前の感動をそのまま伝えられる絵というものが素晴らしいものに思えて、いつの間にか『自分もあんな絵が描けたら』という願望に変わり、気がついていたら描き始めていた。
私は2才の時からの浜っ子。横浜は絵の題材には事欠かない。当時毎週スケッチブックを持って市内のどこかにいた。描いている時は時間も空間も無い。色即是空、空即是色。景色の中に溶け込んで、頭の中は真っ白なキャンバス。すぐそばを通る船の警笛に驚いて我に還る。人生そのものが自己表現なら、自分というキャンバスを使って、何でも良いから描いて書いて、大いに恥をかいて。あの世へ行ったら死ぬまでゆっくり、先人たちと語り合いたい。
この絵は1991年5月、エリスマン邸の前のベンチで一休みした時に庭のチューリップの美しさに魅かれて描いたもの。背景に写るのはSt. Josef International Schoolの文字。この文章を書くにあたって調べたところ、St. Josef International Schoolは廃校となってしまったとか。私が描いているころは反対運動や署名活動も行われている頃だったのかもしれない。
これは1991年9月に当時勤務していた会社の社内報に寄稿した文章をもとに一部リライトしたものです。冒頭の文を英訳した「Life is an Expression」は私のホームページのタイトルでもあります。自己紹介はホームページ及びFace Bookをご参照下さい。
http://home.netyou.jp/kk/ohsawa/
https://www.facebook.com/jun.ohsawa.50
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筆者紹介
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