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第27回 どあっぷ 「殺処分0を目指す高校生の学生団体『RFA』取材レポ!」

by staff on 2015/6/10, 水曜日

みなさんこんにちは!
市民度アップを目指し活動する、ヨコハマのNPO法人ど・あっぷ!です。
今月は、市民度の高い人や団体を、ど・あっぷ!が勝手に紹介する「ど・あっぱーず見つけ隊」のvol.16です。

 

全国の動物愛護センターで、現在行われているペット殺処分は16万匹(1日約500匹)と言われています。
今回は、高校生によるペットの殺処分ゼロを目指し活動をするRFA(Revolution For Animals)さんをご紹介したいと思います。
RFAさんは学校の中で行っている、クラブやサークルとは異なり、そのメンバーは様々な学校の高校生たちで構成されています。芸能人を審査員にコンクールイベントを開催するなど、とても高校生とは思えない活躍ぶり!
どうぞ最後までお付き合いください。

「ど・あっぱーず☆見つけ隊」vol.16
高校生の学生団体「RFA」

先月、とてもよく晴れた気持ちの良い日曜日、ある方のご協力をいただいて、西新宿の素晴らしいオフィスビルのモニタールームで、高校生の学生団体RFA(Revolution For Animals)さんを取材させていただきました。

RFA(Revolution For Animals)
HP: http://rfavolunteer.jimdo.com/
Blog: http://ameblo.jp/riritiyo0967/
Facebook: https://www.facebook.com/…

取材に応じてくださったのは、団体設立者の前代表小林里佳さん(3年)と、スタッフの進来早紀さん(2年)。お二人とも、制服のとてもよく似合う可愛らしい女子高校生です。これまで取材させていただいた「どあっぱーず見つけ隊」の中では最年少の学生さんたちです。

RFAさんは、ペットの殺処分ゼロを目指し、ボランティア活動や、募金活動、イベントやブログなどでの啓蒙活動などを主に行っている団体です。

 

(クリックで拡大画像)

取材場所のオフィスビル
取材場所のオフィスビル

高校生の学生団体「RFA」取材風景
取材&動画撮影の様子。ちょっと緊張ぎみ?

お話をうかがってまず驚かされたのは、その構成メンバーの所在地。北は石巻から南は長崎まで、いくつもの都道府県にまたがり50名を超す高校生が所属しています。
そして、前代表の小林さんが1年生の時に設立してからわずか2年の間に、芸能人を審査委員に招いたイラストコンクールを成功させたり、今年はカレンダー製作も行いたいと意欲を燃やしています。
なんとダイナミックな活動をする高校生なのかしらと、つい自分の時の遠い記憶と比較して、恥ずかしくなりました。

高校生でもなんでも出来る! 等身大の自分でチャレンジ!

これだけを聞くと、スーパー高校生集団のように思われるかもしれませんが、設立者の小林さんのお話は、決して背伸びをするわけでもない等身大の高校生のものでした。

RFA設立前、小林さんは高校1年生。クラブや習い事も何もやっていなくて、「このままでいいのか?」と、むしろ少し焦りすら感じていたといいます。
そんな中、東北復興支援ボランティア活動をする、同じ年代の高校生たちとかかわる機会があり、彼らの活動を目の当たりにした事で、彼女の考え方が大きく変わったのだそうです。
「高校生でも、やる気になれば何でも出来るんだ!」
正にこの時、彼女の中で、受動的から主体的へと行動を変えるシフトチェンジが起きたと言えるのでしょう。

 

(クリックで拡大画像)

RFAのみなさん(両端はど・あっぷ!のオジサンとオバサン)
RFAのみなさん(両端はど・あっぷ!のオジサンとオバサン)

そしてRFAを立ち上げることになるのですが、私がいいなぁ、と思ったのは、自分の興味のある問題に着手したこと。
彼女は大の猫好き(ちなみに私も猫派!)。殺処分問題には以前より興味があったといいます。誰かに言われたのでもなく、誰かを意識したのでもない。ウケのいい事や、正解を探した訳でもありません。ただ、自分の興味がある事に自分で着手しようと決めたのです。
無理せず、背伸びせず、等身大の自分で始めたからこそ、楽しいし、パワーも出せる。
結果、飾らない等身大の彼女声に、たくさんの高校生が共感しました。

一方、現在2年生の進来早紀さんも猫好き(猫好き女子バンザーイ!)。
彼女もペットの殺処分問題に興味がありました。交換留学生でドイツへホームステイした経験を持つ彼女は、ドイツには保護された健康なペットの殺処分は一切無い事を知って、日本との違いに愕然としたそうです。
この問題に自分でも何かできないかと情報を集めている時に、RFAの存在をサイトで知り、同じ高校生が作った団体である事に共感を覚え、他の団体ではなく、RFAへの参加を決めたのだそうです。

彼女たちが凄いのは、自主的に主体的に問題解決に当たろうとしている点。
しかし、実はこれはなかなか出来ることではないように思います。
特に日本の学生は(いえ、日本人は皆)、自分で決断したり、自分で事を起こす事には、あまり慣れていません。ましてや、授業の一環ならともかく、何の強制も義務も無い中で、自主的に自分の興味を持った問題に取り組む事(行動する事)は、誰もができる事ではないと思います。

出口も大切だけど、やっぱり入口も重要!

彼女たちは日ごろ、動物愛護センター(動物の保護、殺処分を行っている自治体施設)を訪問したり、動物保護団体でボランティア活動をしたりしています。
そんな実際の現場を見る活動を通じ、今ここで保護され、死を目前にしている目の前の動物たちを何とかする事(里親を探す事)の必要性を実感すると同時に、保護される動物たちの数自体を減らさない限り、根本的な問題解決には至らないという事も強く感じているといいます。
つまり、出口の対策と入口の対策が両輪で整ってはじめて、恒久対策になるという事を、実体験をもって改めて実感しているという事です。

そこで、自分たちができる入口対策(センターに来る数を減らす事)の一つとして、啓蒙活動をより一層強めていきたいとしています。
まずは高校生に現状を知ってもらい、関心をもってもらう。そして一度家族にしたら最後まで面倒を見る責任感を、若いうちから持ってもらう事で、自分達の世代が大人になった時に、飼えなくなったペットを安易に捨ててしまうケースを少しでも減らしたいとお話してくれました。

杉本彩さんをお招きしイベントしちゃいました!

具体的な啓蒙活動の一つとして、彼女たちは昨年イラストコンクールを開催しました。
全国の高校生を対象に、「ペットは家族」というテーマでイラストを募り、表彰式には、殺処分をテーマにした映画「ノー・ヴォイス」を上映。またその映画監督の古新舜さんや女優の杉本彩さんらを審査員に招き、優秀作品を選定、表彰しました。
イベントの企画運営は勿論、RFAの活動をしていく中で知り合った方々のつてやお力を借りながら、杉本さんの審査委員交渉も彼女たちが行ったのだそうです。

部活や習い事を何もしていないことに不安を覚えていた高校生が、「高校生でもやる気になればなんでも出来るんだ!」と思えるようになっただけで、本当になんでも出来る高校生になってしまいました。

改めて、子ども達が持つ柔軟性と瞬発力、行動力と集中力に驚かされました。

ドイツは殺処分ゼロ!

最後に少し殺処分についてお話したいと思います。
日本で行われている殺処分数は、年間約16万頭と言われています。
これは、動物愛護の精神からも長年問題視されており、表からもわかるように年々減少しています。

全国の犬・猫の殺処分数の推移全国の犬・猫の殺処分数の推移
出典:http://www.eic.or.jp/library/pickup/pu121019.html

しかし一方で、殺処分施設自体存在しないドイツのような国もあります。
ドイツではペットの尊厳を尊重し、ペットであっても勝手に命を奪う権限は人にはないという考え方が根底にあるようです。ペットを飼う環境や安楽死の条件などが法律で厳しく決められ、ペットの病状などでやむを得ず安楽死させる際にも、獣医師の診断が必要になるなど、徹底しています。また、犬を飼う際には犬税を払う必要があります。いわゆる地方税に当たるもので、各自治体により税額は異なるようですが、どこも犬の数が増えると税額は上がります。
同時にペットを飼う環境も決められ、ペットがストレスなく生活できる環境と経済力がある事が、ペットを家族にできる条件となっています。

また、日本のような店頭で犬猫を展示しているようなペットショップは、厳しい規制の為ドイツにはありません。その為、市民がペットを求めるときは、ティアハイムと呼ばれる民間の動物保護施設等や、登録されたブリーダーから直接求めるケースが一般的のようです。また、ティアハイムは保護を目的とした施設ですので、原則保護期間に期限はありません。

これらの社会的システムの結果、捨てられるペット数を減少させていると同時に、保護施設に保護された場合でも、犬猫の里親仲介率は90%を超えるものになっています。つまり保護された動物たちのほとんどが、新たな飼い主の元に行くという事です。

さらに驚くべきは、この民間施設ティアハイムの運営は、ほとんど寄付とボランティアから成り立っているという点です。犬税は目的税ではなく一般税であるため、この犬税で動物保護施設が運営されている訳ではないのだそうです。

ドイツ最大のティアハイム ティアハイムベルリン
ドイツ最大のティアハイム ティアハイムベルリン
[Photo from Tierschutzverein fuer Berlin]

ティアハイムは全国に約500か所以上あり、中には上の写真のように、どこかの大手企業の研究所かと見間違うような規模と施設を誇る場所もあります。
またドイツには、この他にも700を超える民間保護団体があり、80万人を超える会員がいるとの事。

寄付とは市民の意識の表れです。この点からも、ペットに対する意識の違いを見せつけられたように思いました。
そういう意味でもRFAさんが重視したいと語る啓蒙活動は、これからもっと大切になるのだなぁとつくづく思いました。
頑張れRFA!

ちなみに日本の動物愛護センターでの里親仲介率は15%前後、殺処分率は約7割と言われています。動物愛護センターは自治体の施設ですので、当然そこにかかる費用は税金で賄われています。その為、保護期間には期限が設けられ、期間内に里親が見つからなければ殺処分されてしまいます。殺処分にかかる費用は全体で数十億円にのぼるとも言われています。
各自治体も殺処分ゼロを目指し努力をはじめ、大きな成果を上げる自治体も出てきており、先に記したように、年々その数が減少しているのは事実です。しかしそれでもまだ年間16万頭。とても十分とは言えません。殺処分ゼロに近づくのはいつになるのか。まだまだ時間がかかりそうです。

ちなみに我が神奈川県は・・・。おお!すばらしいじゃん!
● 殺処分都道府県別ランキング: sites.google.com/site/wakatsukitomonao/…

最後に

今回高校生のお二人を取材し、お話を聞かせていただき、教育の理想像のような姿が浮かびました。
前述したように、子どもが興味のある事柄に向かう潜在的なパワーは、大人の想像をはるかに超えます。「高校生だってやる気になればなんでも出来る!」正にそれが現実のものとなります。

RFAのように、学校は協力者の一つという位置づけで、学校の枠を超えた活動が盛んに行われるようになると、子どものコミュニティーがぐんと広がり、協力者の中には、学校関係者以外の大人も加わってきます(RFAのイベント開催では、たくさんの大人の協力者が介在していました。)。学校以外の大人と繋がるという事は、社会と繋がる第一歩とも言えると思います。
社会と繋がる事は実は楽しい事。
そういう経験は、本来の子ども達が持つ好奇心をより一層湧き立たせ、更なるパワーの源になっていくのではないかと感じました。

18歳選挙権の引き下げが現実のものとなり、早ければ来年の夏の参院選では、選挙権を持つ高校生が誕生します。
RFAさんのように、自分の興味のある社会の問題に主体的に関わる事をきっかけに、社会全体にも関心を持っていく高校生が今後益々増えていく事を強く期待します。
と同時に、私たち大人が、彼らの好奇心、意欲、活動を、妨げる存在になっては決してならず、彼らが社会と関われる環境をどれだけ整えられるかが、今私たちに問われている事なのかもしれないとも、この取材を通じて感じました。
社会に無関心な若者を増やさないために・・・。

出典

ど・あっぷTV

RFA(Revolution For Animals)の詳細が動画でわかりますよ!是非こちらもご覧ください。


http://www.youtube.com/user/douptv

(写真・イラスト:NPO法人ど・あっぷ!(DO UP!) / 文:築山 美樹)

 

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