映画になったヨコハマ(第12回) 港警察署の名物刑事たちの30年前
あぶない刑事
製作 1987年 東映 |
春は、別れと出会いの季節。定年退職まで5日に迫ったタカ&ユージの最終作となる『さらば あぶない刑事』が、2016年の早春を賑わした。30年前にタイムスリップすべく、映画化第1作(1987年公開)となる本作を紹介したい。
『あぶない刑事』、通称 “あぶデカ” は、もともと1986~87年の日曜夜に放送された連続テレビドラマだ。主役は、神奈川県警横浜・港警察署捜査課に勤務する、女好きだが正義感の強いコンビ、タカこと鷹山敏樹(舘ひろし)とユージこと大下勇次(柴田恭兵)。ダンディーなタカとセクシーなユージが、犯人を追って暴れまくり、撃ちまくるアクション・コメディーは人気を博し、映画も7作が作られた。
バブル景気まっしぐら、イケイケどんどんな時代。花金(今や死語)返上で、パトロール中の2人は、殺人事件に遭遇。製薬会社の研究所が襲撃され、制がん剤を手掛けていた研究員が殺害され、研究データも破壊されていた。
ライバル会社の株高騰で大儲けした画商・鳴海(室田日出男)が、犯人像として浮上。2人は、画廊のマネジャー・緑(小野みゆき)から証拠を引き出そうと、首尾良く監禁したものの、なかなか真相に迫れない。そうこうするうち、敵の傭兵が、同僚刑事のカオル(浅野温子)を誘拐し、人質交換で計画倒れになり、課長の近藤(中条静夫)から大目玉を食らう。
課長の「大馬鹿者!」「瞳ちゃん、お茶」は、お約束の決めゼリフだ。新人刑事・徹(仲村トオル)は、タカとユージの「女を紹介してやる」の一言でなびくお人好し。少年課のカオルと上司の優子(木の実ナナ)は、流行のボディコン・ルックに身を包む。憎めない仲間たちだ。
事件は解決に導かれるが、ミステリーのような複雑な展開はなく、性格も思考も真っ直ぐなタカ&ユージのファッションと軽妙な掛け合い、何より体を張ったアクションが見どころだ。
歩きたばこが普通だった時代、タカ(館)「やっぱり、たばこやめよう」、ユージ(柴田)「女やめれば」のセリフが目を引いた。館が、製薬会社のCM出演を機に禁煙に成功したのは2012年。一方、柴田は早期肺がんで2006年に手術をしている。最新作には、喫煙シーンはないだろう。無事定年を迎えられて良かった。
横浜度(横浜の露出度、横浜を味わえる度) 75%
筆者紹介
塚崎朝子(つかさき あさこ) ジャーナリスト。世田谷生まれの世田谷育ち。読売新聞記者を経て、医学・医療、科学・技術分野の執筆が多いが、趣味の映画紹介も10年以上書き続けている。年に数時間だけ、横浜市内のキャンパスで教壇に立たせていただいている。 著書に、『慶應義塾大学病院の医師100人と学ぶ病気の予習帳』『新薬に挑んだ日本人科学者たち』(いずれも講談社)、『iPS細胞はいつ患者に届くのか』(岩波書店)など。「日経Gooday」で「その異常値、戻しましょう-STOP・メタボの12ステップ」連載中。 |
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