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あわぢしま かよふ千鳥の 鳴く声に いく夜寝覚めぬ 須磨の関守

by staff on 2018/1/10, 水曜日

♪ あわぢしま かよふ千鳥の 鳴く声に いく夜寝覚めぬ 須磨の関守 ♪


絵・千絵崇石
 

読み人:源 兼昌(みなもと の かねまさ)

現代語訳・・・海峡を隔てた淡路島から渡ってくる千鳥の悲しい声に 須磨の関守は何度も目を覚ましては物思いにふけるのだろうか。

この歌は12世紀初頭に作られた歌です。今でも淡路島に千鳥はいるのでしょうか? そんな疑問をもって千鳥を調べてみましたら、何のことはありません。日本では水辺に生息している小さな鳥の総称として、全体的に千鳥と呼んでいるところがあるようです。

シギ科の鳥も千鳥と呼ばれていて、千鳥と言われる鳥の範囲はとても広そうです。ちなみに淡路市の市鳥は千鳥です。種類からして以外に奥の深い千鳥。

私のような・・トリ! と聞いたら出戻りと借金取りを思い出す無知で不埒な人間には千鳥を語ることはできません。せめて千鳥と言う名前から派生した言葉、千鳥足とか、千鳥格子とかのお話をしてお茶を濁してみたいと思います。 お酒を飲んでふらふらと歩いていることを千鳥足と言うのは千鳥の足は三本の指で、鶏のように後ろ側に足指爪がないのです。そして歩くときは足を交互にクロスさせて歩きます。それも2~3歩歩いて向きをちょっと変え又2~3歩進む、と言う変わった歩き方でその歩き方が酔っ払った時の歩き方に似ていることから千鳥足となったようです。

マウイ島の朝のビーチに鳥の足跡が付いていたのを思い出します。確か三本足の小さな足跡が交互にくねった経糸のように並んでいました。鳥の姿も覚えています。千鳥の一種だったのね。千鳥と言う名の鳥が、平安時代のファンタジックな幻想から私が実際に見たことのある鳥として今、蘇りました。

千鳥格子とは 千鳥が連なって飛んでいる時の形から生まれたものですが、ファッション界で使われるチェック模様の一つでシャネルなどが好んで使っている柄でもあります。ヨーロッパでは猟犬の牙が重なっている模様として{hound tooth ハウンドツース}という言葉が英語で千鳥格子と訳されています。また建築の組み方の専門用語としても千鳥格子と呼ばれるものがあるそうです。もう殆ど知られていない様ですが、お裁縫にも千鳥掛けと言う糸のくくり方があったのを覚えています。昔から千鳥と言う鳥が日本の文化に深く根差していた事が良くわかります。万葉集にも千鳥の事が歌われて、あの源氏物語でも 須磨に流された光源氏が歌を詠みました。作者の源兼昌さんは そのことも踏まえてこの歌を詠んだという事です。

子供の頃に歌った「浜千鳥」青い月夜の浜辺に親をなくした子供のチドリが泣きながら親を探すその翼の色が銀色だったと。歌詞がとてもメルヘンチックで大好きでした。この和歌は、私のアルバムでは「ひとりかも寝む」という曲の中で歌われていますが、いつも不思議な感覚にとらわれます。楽曲自体も瞑想的なので余計感じるのかもしれませんが、暗闇の中で鳴き声と羽音だけが聞こえるようなビジョンが浮かんでそれが遠くで鳴いているのか、近くで鳴いているのかわからない。もしかしたら自分の頭の中で鳴いているような、静寂の中でじっとその鳴き声を聞いている須磨の関守とは、私の事かもしれない! と。

2018年今年は、ヨコハマNOWが掲載される10日に、早苗ネネは昨年ノーベル平和賞を受けたNGO団体ICANに所属するPEACE BOATに水先案内人として招かれ、船上におります。1月8日に横浜港から出発して、その後オセアニアの3か月間のクルーズに向かうのですが、私が乗るのはインドネシアまで。1月10日頃は基隆に向かっていると思います。船上で和歌うたを響かせて、今年も新しい出会いに心を開いて頑張ります。

(早苗ネネ♪)

 

三十六歌仙CDアルバムによせて

 

10代の頃、じゅん&ネネのネネとして歌っていた時、多くの方から「北の政所のねね様と同じ名前ですね」と言われ、歴史上に残る方と同じ名前を頂いた事で直ぐに覚えて頂き、良い事が沢山ありました。時が経ち、50歳を過ぎた頃にやっと自分のライフワークを見つけ、「和歌うた」を歌い続けて13年程に成りますが2014年の京都高台寺音楽祭に出演させて頂いた折に、三十六歌仙が高台寺様に遺されているのを知りました。その時にぜひ三十六歌仙にメロディーを付けて同じ名前のねね様に奉納したいとの思いを抱き、2015年9月6日、ねね様のご命日に発表させて頂く事に成りました。

和歌のアルバムとしては10年ぶりでやっと二枚目アルバムです。一枚目のアルバム「花のいろは」は蟠龍寺スタジオの仲間に助けられて生まれました。そして今回のアルバムも製作費は今まで私の和歌うたを聞いて応援して下さった方々のご支援で賄われています。暗中模索と無我夢中で今までよろよろと歩いてきましたが、そんな私を支えてくれる大きな愛情に気が付いて、なんて幸せ者なのかしらと思います。有難うございます。これからも自分の道を信じて歩いてゆきます。

早苗ネネ/京都・高台寺 北の政所・ねねさまに捧げる三十六歌仙 『和歌うた』CDアルバムは、 ヨコハマNOWオンラインショップ で販売しております。

 

早苗ネネさん 和歌うたLIVE

 

早苗ネネさん プロフィール

木々や鳥や魚や精霊…人間以外の存在達との交流が当り前に語れるくらい、いのちのひろがりに気づくと、共に生きている喜びや、苦しみや悲しみにもナイーブになる。

心と野生がひとつながりになると……こんな風に人は年を重ねられる。ひとりひとり、ユニークにもっと自分になれる。

早苗 Nene さんは、そういう人生の先駆者です。 感性を解放しながら、40代で高校生に仲間入り卒業後、マウイのカレッジに留学中、突然半生記が受賞しました。

そんな新たなシーズンを迎えて、今エッセンスを分かち合いたい。

<天性の歌い手>というだけでなく、その存在感、溢れる活性のバイブレーションは、光のシャワーのよう。彼女と語り歌い、魂の成長を旅している現在の、自分の位置を確かめてみませんか?

早苗ネネさんHP

 

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ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。
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横浜中華街は碁盤の目のように大小の路地がある。その中でも代表的な市場通りをビデオスナップ。中華街の雰囲気を味わって下さい。
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