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佐々木彬文の「四季・色・贅・食」 第2話「ダンススタジオで初釜」

by staff on 2012/2/10, 金曜日

「初釜の風景」 佐々木彬文 作 (2012年)

茶人の皆さんは『なんじゃ、こりゃ?!』っておっしゃると思います。
第2話はそういうお茶会の話。それは睦月七日に催されました。
場所は桜木町のとあるダンススタジオ。
スタジオ初めて(?!)のそして新年初の・・茶会・・
Wお初の初釜でした!

ダンススタジオですから、炉が有る訳が無く床に穴掘る訳にも行きません。
故に、御茶の先生方には大目玉を頂きそうな朝鮮風炉を使った長板総飾り!
「冬に風炉?!」だけでも偉い先生方には叱られそうですが『御茶を体験したい。』『日本の文化を知りたい』そういう方達に少しでも「茶道」を体験して頂きたく、また、「茶道を始めたい」との気持ちに成って欲しくて、お叱り覚悟で催しました。

道具を車で運んで、ビル4階のスタジオまで。
屏風に釜・長板・皆具・茶碗・柄杓・灰・炭etc、総て運んで準備完了!
さぁ、茶事の始まり~始まり!

お琴の演奏付きで雰囲気はまさにお正月です。

一般の方は初炭のお点前って余り目にする事が無いと思いますが、冬は『火』が御馳走なのです。今でこそ、コンクリートや新建材に囲まれて隙間の無い暖房の利いた建物で暮らしていますが、昔の家は隙間だらけ、故に、冬の一番の御馳走は『火』です。 また、その様な環境・時代だからこそ生まれた「心使いと気働き」その美しさと、(本当は此処からがお茶の始まりを観て頂きたく)初炭から、お茶事の流れを説明しながら、お薄茶を召し上がって頂きました。

是非にとの僕の思いは『皆さんに御道具に触れて頂く事』でした。
この日の初釜に来られた方は初めての方が多くいました。
皆さんがお道具の事は何も知らないから、「もしも事故があって壊れでもしたら」と考えて、こちらが適当な事をすると・・・人は、お茶の事は知らなくても「適当」をすぐに感じ取るものです。だからこそ僕は、「本物」に触れて頂きたいのです。人は、「本物」だと分かると大切に扱おうといたします。大切に扱おうとする所作が「美しい所作」になります。『本物に触れる事』が茶道のお手前を一番に理解して頂ける事だと思います。

『道』と付いた習い事を一つで良いから始めてはいかがでしょうか。
手順やマニュアルとは違う、師に直接教えを乞わなければ伝わらない事が沢山あり、物の見方も変われば『気』の配り方が変わってきます。

私のお弟子さんでお能のシテの方が居られますが、その方とお話していましても『足の運び方』『所作』『呼吸』、ジャンルは変わってもみな底辺では共通している事に驚きます。
日舞の先生や香道の先生・華道の先生等とお話していましても通じるものが多々有ります。
お互い相手に対する心配りが感じられ気働きが見えて参ります。
こういう事を『お行儀』と申すのだと思います。若い方ほど『道』と付く門を一日でも早く叩いて欲しいと思います。身のこなしが綺麗になり素敵ですよ!

人は、出世すればする程、身に付けておかなければ成らない事が多く有ります。その時に、慌てたり恥を被いたり、お付き合いを遠慮しなければ成らなかったり、大切な人間関係を諦める様な事に成らない為にも、是非『道』を始められたらいかがでしょうか?

  (画像をクリックして拡大写真をご覧ください)






文・絵:佐々木彬文(日本画家・裏千家茶道講師)
写真:高野慈子

 

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