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佐々木彬文の「四季・色・贅・食」 第9話 元町のバール「愛知屋」でちょっと立ち飲みを!

by staff on 2012/9/10, 月曜日

 横浜の山手は独立したような小さな山塊になっている地域です。中華街との境の川に添って、山手の山麓を包むように、お洒落な元町商店街があります。今回のお話「愛知屋」は元町商店街の入り口にある酒屋さんです。

 

元町の歴史は明治に始まります

 山手が外人の居留地として拓かれ、洋館が立ち並び、使用人達(特に華僑・中国系等の脚亜系の人々)の住居が中華街として狭い範囲に作られました。
 この区域への出入りの関が関内に設けられ、関内から本牧辺りを外国人居留地と定めました。

 


作:佐々木彬文

 元町商店街は、山手の外国人のご用達商店街でした。横浜で最初の洋花専門の花屋さんが代官坂に現在でもあり、今回のお話の酒屋さんも元町商店街入り口にあります。

 

お店の屋号は『愛知屋』坪崎商店です

 『愛知屋』は明治に始まり、ワインやウイスキー等、当時では珍しかった洋酒の数々を洋館に届けておりました。(清酒の注文もあったのでは?!) 当時の日本としては、華やかな、そして異国情緒にあふれた品揃えだったと想像されます。

「元町愛知屋」 http://www.aichiya.com/

 お店の造作にもその頃の活気が今でも感じられます。間口は小さく奥行きも短いのですが・・・

 この店、中々面白い造りに成っています。と申しますのは、元町商店街のメインストリート側では無く一筋山側の道に7歩入って下さい。左手に『久佑』と云う名の小料理屋さんが見えて来ます。実は!久佑の厨房と愛知屋さんは奥で繋がっているのです。 →

 


作:佐々木彬文

← 久佑の名物「穴子ちらしずし」はお持ち帰りができます。「愛知屋」でも買えます。

 久佑のお酒の種類の多い事に最初は驚きましたが~「お酒は売るほどあります」と・・・『当たり前か』(笑)。酒屋さんが経営している小料理屋さんなのです。

 このお店のおつまみは全て自家製。小生のお勧めは’かき揚げ’です。注文してから揚げてくれます。 カリッとしながらほくほくして柔らかく、そして甘いのです。何とも言えない素材の甘みが自然と出ています。火加減の上手さは絶妙です。今回はこの『久佑』の話では無く『愛知屋』酒屋さんのお話です。(歴史の解説を知ったかぶりしてする程「野暮」ではございません!)

 

愛知屋さんのカウンターで・・・・素敵な出会いに乾杯です!

 カウンターの名前は “バール” 何故かイタリア語です?! スペイン語の “バル” の方が雰囲気に合うと思うのですが何故か「伊太利」です?! そう横浜は何故か「伊太利」が多いです。どちらでも良さそうなのですが、ちょっとスペインの空気もあってくれると嬉しいのですが・・・。
 そんな話はさておき、火曜日から土曜日、日暮れ時の5時から9時前までの営業です。

 もちろん “バール(バル)” のルールを守りそして日本の昭和の風情を守っての『天下の立ち飲み』です。しかし、この『立ち飲み』が本当に良いのです。

 

(クリックで写真拡大)

愛知屋さんのカウンターで。素敵な出会いに乾杯です!

 長くだらだらと飲むこともなく、狭い店内で騒ぐ事もなく、自分のペースで静かに楽しんでいます。たまたま隣に来られた方と趣味の話に興じたり、笑顔で他愛もないおしゃべりに時を忘れます。

 ここでは、いろいろな方と出合います。皆さん肩書きや職制を置いての出会いですから、得意分野の面白い話とか珍しい話等を嬉しそうにお話して下さいます。ご自身を自慢するわけでもなく、その嬉しそうなさまがとても良いのです。

 例えば、三浦半島に在る深海探査等の研究機関に勤務なさっておられるオペレーターの方。いつも奥様とお二人で散歩の時にふらっと寄られて、お酒を1~2杯召し上がって帰られます。その時間にここにいたら、深海探査のお話を伺えるのって素敵でしょう?!

 布で色んな作品を作られる作家さん、ご主人と御一緒に山の上から散歩に下りて来られ、グラスで一杯程召し上がって帰られます。いつも個展の案内を頂くですが、未だに伺う事が出来ていません。

 ある日、美女4人組がカウンターで盛り上がっていました。「これは入って行けないや」って一度は諦めかけたのですが、カウンターの端っこにへばり付きました。お話を聞くと愛知屋さんの若奥さん(カウンターでいつも笑顔でお料理を出して下さいます)のフラメンコ教室のお仲間だそうです。その迫力は凄かった! (やはり、バールでは無くスペイン語のバルが合ってる様な気がします)

 去年、とても不思議な出会いがありました。 小生が表参道に行った時必ず立寄る「ICHO」(注1)という名のお店で出会った20歳代のお二人が、「一泊旅行で横浜に来た」といってこのカウンターで飲んでおりました。 小生に声を掛けてくれるまで「似た方が居られるな」と思っていたくらいでしたから、「まさか?!」と本当に驚きました。

 (注1) ICHO:本当は、服のデザイナーの店なのですが・・・そこで服を作られる方が、いつもリビングで寛ぎながらお茶を頂くので、とうとうリビングが喫茶室になってしまいました。 もちろん本業の服店では素敵な服を作って下さいます。

http://www.icho-tyo.jp/shop.html

 鎌倉・横浜の日本画の絵の具のお店などを教えて下さった滝川虹風先生の御友人の方とも出会いました。10年以上前に、鎌倉でお世話になった滝川先生のお名前を、愛知屋さんで聞くとは思ってもおりませんでした。
 以前、小生が鎌倉に暮らしていた頃、「鎌倉東美」という名の額・画材のお店がありました。残念ながら、今は無くなってしまったのですが、そのお店の喫茶室には絵描きさんが結構集まっていて、滝川虹風先生(瀧川虹風とも書きます)からいろいろと教えていただきました。

http://kaisei-kamakura.com/member-page/takigawa-kofu/takigawa-kofu.htm

 

『愛知屋さん』で見掛けたカッコいい飲み方

  1. 愛知屋さんの生ビールは恵比寿の “スタウト黒” なのです(これだけでも愛知屋さんの誠実さや酒屋さんとしての心意気が伺えます)。お一人で来られたあるお客さんは、カウンターにそっと千円札を置き、生ビールを注文! 一杯目が注がれ飲み干している間にもう一杯が注がれ、一気に2杯を飲み終えると「じゃっ」って帰って行かれました。何と合理的な事か!
  2. 夕方の6時頃だったと思うのですが、二十歳代のすらっとした美しい女性の方です。お仕事帰りなのでしょうか? 清酒を注文され(グラスとお皿に少しこぼれる注ぎ方・日本の古来よりのお酒の決まりごと)先ずは表面張力の部分を一口啜り、おもむろにお皿のお酒をグラスに注ぎ、静かに’酒’を味わい帰られました。カッコいいです!
  3. 白系のヨーロッパ人の御夫人と日本人の男性がスパークリング・ワインをボトルで注文されました。お伺いすると、今日はダーリンのバースデーなのでお二人でお祝いしているとの事。お祝いを申し上げると一杯御馳走して下さいました。

 

カウンターのおつまみ、ちょっとこだわっています

 コラーゲンいっぱいのパティとか、酒粕浸けのチーズとか・・・おなかが空いた時などはピザがお勧めです。お酒も・おつまみもみんな¥500[ワンコイン]です。それに、お店に有るお酒でしたら何でも購入してグラスのチャージを払いカウンターで頂けます(まさか一升瓶を飲む方は居られないと思いますが)「お酒は売るほどあります」(笑)

 そうそう、愛知屋さんでは2カ月に一度位のペースですが、日曜日にご友人(旭区の農家の方)と店頭マルシェを開催しています。
表参道の国連大学の前のマルシェはとても大規模になってお祭りのようですが、元町のはまだ少し時間が掛りそうです。 「お勧めはトマトです!」とても人気があり、トマトはスーパーでは無く愛知屋さんで買う方が増えて来ました。続ける事の大事さが感じられます。

 

料亭「あいちや」のルーツ?

 ここで再び愛知屋さんの歴史です。2代目の頃に働いていた方が暖簾分けをして頂き、同じ「愛知屋」の屋号で酒屋さんを横浜駅近くで始めました。そのお嬢さんが(詳しい事は御存じ無いようなのですが)東急ハンズの道を挟んで向かい側の料亭「あいちや」を始められたそうです。

料亭「あいちや」 http://www.aichiya.jp/

 最後に、ワインボトルをカウンターに置き1人飲んでる人(小生?)がいたら声を掛けてやって下さい。
 今回のお話はこれでおしまい。今から、「愛知屋」さんに飲みに行きます。では!

 

日本料理を世界遺産に!! これからの「茶懐石料理を楽しむ」の予定

第5回 8月22日(水)
(終了しました)
大徳寺麩(煮物椀) 滝川豆腐のジュレ(壺々)
☆煮物と陰陽のお話・・・
☆壺々って何?
☆茶席デビューのお話(亭主・正客・次客・御末席)

(クリックで写真拡大)
      
手前左に「ごはん」右に「味噌汁」左奥に「北川豆腐ジュレ乗せ」右奥に「大徳寺麩と茄子の煮物」です。

第6回 9月26日(水) 卵素麺(箸洗い) 萩蒸 ご飯
☆箸洗い・・・世界一薄い汁物・箸洗いの具について
☆萩蒸し・・・基本は白いご飯ですが?!
☆季節の工夫

会場:岩谷学園 粋生倶楽部サロン 〒220-0023 横浜市西区平沼1-38-24 TEL/FAX 045-314-3730
 時間:11:00~13:00
会費:一回ごと 会員3,200円  一般 3,700円
(全3回 会員9,000円)

岩谷学園 粋生倶楽部 10月~12月
茶懐石料理を楽しむ
~茶懐石料理を笑顔で・造って・味わって~
 
茶懐石は、亭主が季節の食材でおもてなしをする質素なお料理です。
毎回、季節の新鮮な食材を使い、一・二品をいただきながら、
日本人の心の安らぎを感じて、「裏千家茶道」の心を楽しんでください。
詳細は、こちら。

 

佐々木彬文プロフィール

 日本画家(彬文会主宰)
 茶道講師(裏千家 佐々木宗秀)
 クラッシックギター演奏者

文・絵・写真:佐々木彬文(日本画家・裏千家茶道講師)/編集:高野慈子

 

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ヨコハマNOW オンラインショップ・インフォメーション

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