書評 「感動のつくり方」 フォレスト出版 平野秀典 著
プロローグのページが空色という演出でこの本ははじまります。 この約一年、龍を見つけると幸運が訪れる、という話を聞いて空を眺めていることの多かった私には、この「青空の美しさ」にとてもひきつけられました。平野さんは続けます。 「継続的に感動を創り続けるコミュニケーターはアーチストです」 |
今回の紅白歌合戦でよかったと思える場面は、曲がいいというだけでなく、メッセージがしっかり発信された歌手のものであったと思っています。人生が舞台であるとすれば顧客も共演者ととらえることでドラマが生まれる。今回で紅白を卒業するという発言を、聞き手の私たちは「そこに立ちあったもの」のように感じていくのです。
この著書のなかでもっとも感動したのはアーチストの事です。
「20世紀は戦いの世紀といわれました。競争相手に対して使う”戦略”"戦術”はいいとしても、顧客に対してなぜ戦争用語を使うのか」とのことです。アーチストは感動を創りあげている。そのことは私たちの仕事とおなじことではないかと思います。
戦略を物語、すなわちStoryに
戦術を演出、すなわちProduceに
戦闘力を演技力、すなわちPerformanceに
この三つをメイクドラマ三点セットと提案されました。
ビジネスに戦争用語を使うのは時代錯誤なのだと言い切ります。
ストーリーを作る時は三幕構成で、それぞれの幕のなかにさらに三幕の展開をつくることを繰り返し、物語を紡いでいくことだと。その三幕構成は「序破急」「朝昼晩」「出会って、恋して、結ばれる」「生まれて、生きて、死ぬ」「始まり、中、終わり」であり、起承転結でいうと転結を一緒にする。起承転結での四部構成では、スピード感ある現代にむいていないというのです。演劇的ストーリー技法の中では「おや?まあー!ヘエ~」とスリーインパクトとよばれるそうである。「問題点の提示、解決策の提示、証拠提示」すなわち「つかみ、メイン、クライマックス」となります。この場合のポイントは「最も大事なことは、物語のラストシーンを先に決めることです」
ウォルト・ディズニーが主人公にしたのは、間違いなく「人」でした。それは、キャストと呼ばれる社員であり、最高の笑顔で遊ぶ、世界中の子供たちと大人たちとのことです。「人を主人公とすると、弱さまでもが、共感されるエネルギーに変化します。失敗談や試行錯誤、悩みや葛藤、弱さを描いて多くの人々の共感を得たのがNHKで放送されたプロジェクトXというドキュメンタリー番組でした」
次には商品やサービスの持つ魅力を詳細に描写するプロデュースはどうするかです。
「感動したという状態を、別の言葉で表現すること」
「感動できる素敵な言葉にであったら、記録し、口に出して何度も練習すること」
「観客の声も、ストーリーに取り入れるべき最高の素材です」
「決意は、印象的な言葉に置き換えて伝えると、聴き手の記憶に残ります」
データをいれ、明るさも必要といいます。そして一つの詩を紹介しています。
「輝かせて輝く人」
自分だけが輝くと まわりに影が出来る。
まわりの人を輝かせて その明かりで自分が輝けば まわりに影はできない。
自分の存在で まわりの人を輝かせるのが 本物の一流。
最後に二つのことを引用しておきます。
「シンプルは複雑よりもたいへんだ。努力して考えを整理しないと、シンプルにすることはできない。」
「他人を演じることは、プロの俳優に任せて、私たちは、自分自身を演じ切ろう。
大丈夫。共感を表現することで、人は人の愛を知る。
大丈夫。商品を豊かに表現することで、人は仕事の成功を実現する。
心が震えるほど豊かに表現しよう。
あなたの輝きを待っている人がいる。」
Story物語づくりの年がはじまりました。知ると云う事は実践することだと考えています。早速物語作りです。暮れに書店でこの本に偶然出会いました。不思議な縁に驚いています。
(文:横須賀 健治)
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