映画になったヨコハマ(第4回) 横浜でデートすると恋愛は成就するか?
デート~恋とはどんなものかしら
制作 2015年 フジテレビ/共同テレビ |
梅雨明けも間近、今回は横浜のとっておきデートスポットが満載のテレビドラマをご紹介したい。2015年1~3月に放送された『デート~恋とはどんなものかしら』は、夏休みに打ってつけのラブコメディだ。
主人公・藪下依子(杏)は、東京大学大学院数理科学研究科で学んだ後、内閣府経済総合研究所に入り、横浜研究所で研究職をしているが、30歳を目前に少し結婚を焦っている。何ごとにつけても合理的で理論的な思考に基づいて行動し、厳格なルールに則った生活を送り、融通や思いやりに欠けている。
依子が、結婚相談所を通じて出会った相手が、谷口巧(長谷川博己)だ。30半ばにして職に就かず、“高等遊民”を名乗って、横浜の自宅で美術教室を営む母親(風吹ジュン)に寄生中。引きこもり生活を見るに見かね、幼なじみの宗太郎(松尾諭)が、出版社勤務と偽り結婚相談所に登録したのだ。
依子が目を留めたのは、巧の身長や生年月日などの数字が全て素数だったことで、結婚は“契約”と割り切っている。2人とも恋愛に興味がないわけではないが、およそ恋愛には不向きだ。付かず離れず、本音は出せず、周りを振り回しながら物語が進んでいく。初めてのデートに備え、依子は鏡の前で「アヒル口」を練習したりと、2人の行動パターンと掛け合いの台詞回しは、ことごとく抱腹絶倒できる。
ほぼ全編で、横浜が舞台になっている。依子が勤める横浜研究所は、おなじみの日本郵船歴史博物館で撮影されているし、巧の家は相鉄線の沿線らしい。初デートは、山下公園で待ち合わせ、中華街に行ったり、観光船に乗ったり。2回目のデートは、八景島シーパラダイスだ。告白の場所も初詣の神社も、横浜だ。
2人も取り巻く人たちは、いい人だらけだ。依子に頭が上がらない板橋区役所勤務の父(松重豊)に対し、若くして亡くなった数学者の母(和久井映見)は、ゴーストとして依子の前に登場し、辛口の助言を連発。元ヤンキーの宗太郎と妹(国仲涼子)も、依子に一途な体育会系の鷲尾(中島裕翔)も、みんな温かい。
デートを重ねれば、愛が深まるというものでもないが、理解が深まったことは確かのようだ。散々笑って、時にホロッとさせる。ああ、横浜でデートがしたくなった。
横浜度(横浜の露出度、横浜を味わえる度) 75%
筆者紹介
塚崎朝子(つかさき あさこ) ジャーナリスト。世田谷生まれの世田谷育ち。読売新聞記者を経て、医学・医療、科学・技術分野の執筆が多いが、趣味の映画紹介も10年以上書き続けている。年に数時間だけ、横浜市内のキャンパスで教壇に立たせていただいている。 著書に、『新薬に挑んだ日本人科学者たち』『いつか罹る病気に備える本』(いずれも講談社)、『iPS細胞はいつ患者に届くのか』(岩波書店)など。「日経Gooday」で「その異常値、戻しましょう-STOP・メタボの12ステップ」連載中。 |
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