第30回 ワークショップ「新聞記者になって新聞を作ってみよう!」
ワークショップ「新聞記者になって新聞を作ってみよう!」
ヨコハマのNPO法人ど・あっぷ!です。 去る12月10日に、いつもお世話になっている筑波大学附属小学校由井薗先生の学級にて、ワークショップ「新聞記者になって新聞を作ってみよう!」を実施させて頂きました! |
ワークショップのねらい今回のテーマは、「メディア・リテラシー」。 |
今回のワークショップを行う背景として、テレビや新聞をはじめとするメディアは、TVの時間や新聞の掲載スペースの制限があり、極めてわずかな情報量しか報道できないという事情があります。そのため、起こった出来事のある一部分に報道する側がスポットライトを当てて、情報を絞り込み、報道せざるを得なわけです。当然メディアによるフィルターやバイアスがかかります。それが情報というものです。であるからこそ、情報を受けとる側の私たちには、メディア・リテラシーの能力が求められます。
とかく私たちは、TVのニュース番組や新聞に掲載された記事が全てを表していると思いがちです。もちろん多くの場合、掲載されている内容は事実です。しかし全てではありません。むしろ、掲載されている内容は、極めて限定的な一部でしかありません。その事を、情報を受け取る側が常に意識している事が、とても大切なのだと、私たちは考えています。
そこで今回のワークショップは、生徒たち自身が新聞記者になることで、新聞紙面の限られたスペースによって伝えたくても伝えられない記事が山のようにあることや、迫り来る締め切り時間を実感できる内容としました。
ワークショップの内容
今回、3~4人のグループを10グループ作り、各グループを〇〇新聞社としてアクティブ・ラーニングを行いました。
まず、各グループ(新聞社)で、社長と記者の役割を決めます。グループの周りには、私たちが用意した3つの事件現場があり、各記者はその現場を取材します。
3つの事件現場の内容は、「消費税」、「豊作」、「デジタル教科書」。 各事件現場から1種類の写真と6つの記事が、それぞれ記者から各新聞社に持ち帰られます。事件の概要説明を行い情報共有をした後、どの記事をトップに持っていくかの編集会議です。 10社が無事投稿期限に間に合い発行された新聞を、前のホワイトボードに並べているところに、新聞購入者の紹介です!サラリーマンの馬場さん、大学生の大和さん、そして主婦に扮したオネエの山本さんが出てきました。オネエ主婦の登場に生徒たちは大騒ぎ!!! 彼ら新聞購入者に向けて新聞のPRを各社の社長が行います。その社長さんも積極的に手を挙げ購入者に猛アピール!1社20秒以内という短い時間にもかかわらず、皆みごとにポイントをまとめてアピールが出来ました! 授業の最後に、まとめの解説を行いました。 |
生徒たちの感想
最後に生徒たちの感想や気づいた点を書いてもらいましたのでその一部をご紹介したいと思います。どの生徒も皆、素晴らしい感想を書いてくれました。
- メディアと受け取る側どちらも努力すれば誤解も少なくなると思う。だから、ニュースなど見ても、それだけが全てだと思わず、スポットライトの影を見る努力を受け取る側の私はしようと思う。
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- ニュースや新聞、ネット記事から得る情報だけがすべての事実だけではなく、また、記事を選ぶ時には、各新聞会社の先入観がふくまれていることが分かった。そして、それらはわざとではなく、できるだけ早く正確にみんなに伝わるようにメディアが努力した結果だということもわかった。
- ふだん読んでいる新聞の裏の一面を知ることができたのでよかったです。ゴミ箱にすてられた情報の多さにはおどろきました。
- 「自分たちで新聞をつくる」なんて無理だと思ったけれど記事と写真があれば工夫してつくることができました。私は、事件Aの「デジタル教科書」についての取材をし、デジタル教科書を使うことを使うことのメリットとデメリットを伝えられるようにしました。でも、下段記事に選ばれてしまったので、1つの記事で国民の関心があるできるだけのことを伝えようと、4番の記事を選びました。4番はデメリットが中心の記事でしたが、国民にたくさん知られているメリットよりもあまり知られていないデメリットを伝えた方が良いと考え、今度、各社の新聞を読み比べて、その会社が伝えようとしていることのテーマや特徴をたしかめたいです。私はふだんあまり新聞を読まないので、明日からは頑張って毎日読みます!! どあっぷのみなさん、今日は本当にありがとうございました。また、このような機会があったらうれしいです。
最後になりましたが、今回のワークショップに多くの助言やご協力を頂きました筑波大学附属小学校由井薗先生に改めて感謝申し上げます。また、次回5学年を対象としてワークショップを実施させて頂く機会をいただきました。頑張ります!
(写真・イラスト:NPO法人ど・あっぷ!(DO UP!) / 文:山本純平)
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