書評　「人生の目的」（自分の探し方、見つけ方）　大和書房　本田健 著

タイトル 人生の目的 ～自分の探し方、見つけ方～ 単行本 208ページ 出版社 大和書房 (2014/12/17) ISBN-10 4479794603 ISBN-13 978-4479794608 発売日 2014/12/17 購入 人生の目的~自分の探し方、見つけ方~

「自分の人生を後悔で終わらせないためにー」という帯の文字に惹かれて、またまた手に取ってしまった。
「これから、人生を生きるノリを変えていくと、出会う人、チャンスが変わっていきます。いままでとはちがう選択をして、ちょっと怖くてワクワクすることをやってみるのです。」「これから、一緒に、あなたの隠れた秘密を探っていきましょう。」と「人生の目的を見つける前にしておきたいこと」の序章で語られる。少しというか随分の緊張ではじまった。

著者はまず社会的価値から脱してみようと問いかけます。ワクワクして楽しくなければ長続きしないと言います。「たとえば、道を歩いていたら、小さな石ころがあった。その石ころを道の端によせただけで、あなたの人生には意味が出てくるかもしれません。あなたがそれをしなかったら、誰かがそれにつまずいて、一生を左右するような傷を負わないとも限らないからです。」「たいせつなのは、自分はそう感じること、あなたにとっての意味をみつけましょう。」本田さんは自分の物差しをもつことと語られます。

いままでの人生で後悔していることがあります。これからはいつものようにならない選択をすることです。それは怖いと思うことにも挑戦することです。いまより少し勇気をもって挑戦することです。過去のいやな体験を受け入れて、「でも、人生は変えることが出来る」ということに気づくことが最初のステップだといわれます。

著者は「人生を心から楽しむには」のところで次のように言っています。「あなたが大好きな人に対して、心から何かをしてあげたいという気持ちを大切にしてください。そのエネルギーの周辺に、あなたの人生の目的は必ずあります。」だから「自分の才能を使うことで、社会に貢献しているという感覚が、本人を幸せにすることは間違いありません。」人に喜んでもらうことに、喜んで取り組むことの周辺にあなたの人生の目的はあるのです！本当にわくわくすることを追いかけてくださいと著者は言います。それは自分が一番ラクにできることだったり、自分にとっては簡単な事だったりもするかもしれませんとも。

次のような事例を著者は語っています。「これまでは会社を大きくすることが人生の目的だとおもっていた。という社長さんがいました。けれども、ある時期に売上が下がった時に、会社のために頑張ろうとしている社員たちを見て、会社を大きくすることより、社員を幸せにすることだ、と気づいたそうです。そうなると、経営者として何を優先するかが変わってきます。会社を大きくするためにしなければならないと思っていたことに、縛られなくなったのです。結果として、その会社は大きくなり、それによって社員の生活もゆたかになり、幸せ度もましました。」

著者は執着を手放してみようと言います。執着しているとほかのものが見えなくなると言います。苦しくなったとき、また次があるさ、というのは心を楽にしてくれるアファメーションです。自分がいましがみつこうとしているよりも、もっと素敵なチャンスが必ず来ると保証されたら、楽に手放せるはずです。「あなたが成長したら、きっとそれに見合うものがやってきます。そのためにも、何かにしがみつきそうになったら、大きく深呼吸して、硬くなった手を開きましょう。」著者はいいます。「人生の目的は、あなたが心から大切だと思うものを大事にすることによってしか実現できません。また、それは、目の前に来たものを大事にすることでもあります。」来るものを拒まず受け止めることであり、去っていくものはただただきれいに手放すことだと言います。

人生の目的と同じくらい大切なのは、幸せの見つけ方だと言われます。「あなたが何に対して幸せを感じるのか、それはあなたが決めていいのです。」と言われます。「あなたは、これまでとまったく違ったゲームをしてもいいのです。また、ルールだって、自分で考えてもかまいません。もし、何でもいいとしたら、あなたはどのようなルールをつくりますか。そして、どのようにゲームをプレイしたいですか。あなたが、心から大切だと思うものをぜひ、人生の中心に置いてください。そうやって生きていくうちに、あなたなりの人生の目的はきっと見つかります。」

本田さんは語ります。「社会の価値観から脱し、本当に自分とって大切なものを見つけてください。」それは、自分自身に対する好奇心から始まると言われます。「本当の自分を生きだしたら、何が起こるだろう？」とても素敵な本田さんの言葉です。後悔のない素晴らしい人生を生きていきたいですね！

（文：横須賀 健治）