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アートのひみつ(第13回) アートが紡がれるとき

by staff on 2018/2/10, 土曜日

第13回 アートが紡がれるとき

みなさま、こんにちは!昨年に引き続き、アートにまつわるお話を綴らせていただきます。
私はアート教室の講師や臨床美術のセッションをしていますから絵を描くこと、または描いている時間は私にとっては日常の一部です。
とはいえ、毎日「ゲージュツはバクハツだ!」とかは言ってません。普通に生活しています。そのふだんの生活にアートはひそんでいます。

アートがひそんだ歴史、あらゆるアートの歩みをたどると系統立てて、◯◯主義、◯◯派、というようにその系譜を紐解いていくことができます。アート以外のジャンルでもこういったものはその道を学ぶときにはとても役に立ちますね。
ただ、そればかり追っていてはちょっとつまらない。系譜に載らない部分を垣間見ることでどんな人物だったのか、作品によってはその作家の人生のある場面を思うことができるのではないでしょうか?

この絵は別名「夢想」ともいわれ、愛らしい若い女性が頬杖をついてこちらを見て微笑む、みずみずしく、暖かく、なんともうっとりしてしまう作品です。モデルになったジャンヌ・サマリーは、フランスの国立劇団の若き舞台女優で画家ルノワールのお気に入りでした。
ジャンヌとルノワールが恋人だった時期があるとも伝わってますが、本当のところはわかりません。ルノワールの彼女の輝きや愛らしさを最大限に引き出したことはまぎれもなく事実です。ルノワールが見惚れたジャンヌの魅力が伝わってきます。

「芸術が愛らしいものであってなぜいけないんだ?世の中は不愉快なことだらけじゃないか。」
…ごもっとも。他にもルノワールは楽しくなければ描く意味がないというようなことも言っています。別の画家たちの残した言葉を調べると、なるほどと思うことがあります。

「私はいつも、まだ自分ができないことをする。そのやり方を学ぶために。」
これはゴッホの言葉です。まるで戦うような、時代によっては自ら苦しみに飛び込んでいくような画家だったことを感じさせる言葉です。
また、有名になりすぎるとこんな言葉までしっかり後世に…。
「女の顔はキャンバスだ。毎日女は少しだけ若い自画像をそこに描いている。」
ピカソらしいといえばそうなんでしょうね。

著名な画家の言葉ばかり挙げましたが、生涯ずっと作品を造り続けた人もあれば、そうでない人もいます。
アートに対してどのように向きあって過ごしてきたかは時代によっても違うでしょう。
ルノワールが描いた肖像画でジャンヌとは別の舞台女優、サラ・ベルナールをモデルにした絵があります。サロンに出品したとき、ジャンヌの肖像画よりも高く評価され、それ以後ジャンヌはルノワールの絵のモデルを断るようになったとか。女優としての評判を気にしたのかもしれません。
ですが、サロンでの評価はさておき、「何を美しいと思い、なぜ、それを美しいと思うのか?」それは描いた画家のものです。

そこで、この「アートのひみつ」では現在活動されている方々にお話を聞くことにしました。どのように創造に取り組んでいるのか、異なる視点から現在進行形のアートのひみつを探っていきたいと思っています。
そこから共感したり、新たなアートの魅力を見つけるきっかけになればと思います。

筆者紹介

 
本 名 山田 明子 (やまだ あきこ)
略 歴 東京都生まれ
1994年 女子美術大学短期大学部卒
美術家 臨床美術士
Art Factory星組 代表
 
通信会社勤務を経て、2014年より高齢者施設、企業などへの出張アート教室をおこなう。横浜山手で「大人のためのアート講座」を開催中。
星組、臨床美術についての情報
  Art Factory星組Facebookページ
https://m.facebook.com/art.hoshigumi
 
☆臨床美術について☆
「臨床美術」は医師と芸術家によって作られた芸術療法です。
現在では学校やオフィスでの感性教育、病院や高齢者施設でのリハビリテーションに取り入れられています。

 

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