書評「『いい質問』が人を動かす」 文響社 谷原 誠(著)
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「いい質問」に人は必ず反応する。
表紙の裏に書いてある言葉が、突然目にとまりました。
「人を動かすには、命令してはいけません。質問することです。人をその気にさせるには質問をすることです。また、人を育てるには質問をすることです。そして、人生に勝利するには、やはり質問をすることなのです。」
質問をすることは、簡単そうで非常に難しいことです。質問の仕方をいろいろ変えたことがありました。著者は言われます。「相手に質問し、価値ある情報をもらう場合には、相手の立場にたって、相手が答えやすいような質問をしなければなりません。」質問で情報を得ようと思ったら、相手が応えやすい質問をするというのは、最低限の礼儀なのだと言われます。
質問をするときは、何を目的にするか、を明確にしておくことが必要です。目的によって、質問の仕方が異なってくるからです。
「質問を始める前には、私は何のために質問するのか? と自分に質問をし、その答えを明確にしてから質問を開始するようにしましょう。」
そして次に問いかけます。
- 相手は質問するのに最適な人物か
- 質問に適したタイミングはいつか
- 質問は最適か、他にもっと良い質問はないか。
この最適な質問を選び出す作業は一瞬のうちに行わなければなりません。
私たちは「好きな人の質問には何でも答えてしまいます。」
人に好かれる最強の方法は犬をまねることだと言われます。人に行為を持ってもらえる最強の方法とは、相手に好意を持つことだと言われます。
会話をしていて、ある瞬間から急に会話が盛り上がることがあります。その瞬間を、「会話のティッピングポイント」というのだそうです。次のような時にティッピングポイントが来るそうです。
- 自信がある話題
- 関心がある話題
- 心地よい話題
そのためにには、相手の感情をとらえ、共感すること。そうすれば、相手は気持ちよく、いつまでも話し続けてくれます。
いい質問とはどんなものでしょう。
「質問の力によって、人をその気にさせ、動かすには “まず感情を動かし、その後、理性を正当化できるようにしてあげる” ことが必要で、 “質問のシナリオを作る” ことが必要と言われます。」
人は他人から命令されたことに従いたくありませんが、自分で思いついたことには喜んで従います。人を説得するときは、説得していること悟られないようにしましょう。そして、自分から思いついて決断するようにし向けるのです。「そのためには質問することです。」
人を育てるいい質問の章があります。
部下を育てられない上司について次のように述べています。
- 部下が話している途中で遮ったり、話したことを否定したりする。
- 自分の自慢話ばかりする。
- 部下の手柄を横取りする。
- えこひいきする。
- 間違ったことをしても、謝らない。
- 感謝の気持ちを表さない。
- 自分の意見を押し付ける。
- 責任回避して他人の責任にする。
- 相手を傷つけることを言う。
- 陰口を言う。
以上の中にあてはまるものがあれば、ただちに直しましょう、といわれ、山本五十六の言葉を心に憶えておきましょうと語られる。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば人は動かじ。
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って信頼せねば、人はみのらず」
人を育てようというときは、あたえすぎてはいけません。自分で考え、自分で行動し、自分で獲得できるように育ててゆくことが必要ではないかと言われます。本人の思考を誘発しなければなりません。思考を誘発するには、質問することです。
人を育てるために、自問自答する質問のチェックポイントのページがあります。
- 部下の話を遮っていないか?
- 部下の話を頭から否定していないか?
- 自分の自慢話ばかししてないか?
- 部下の手柄を横取りしていないか?
- えこひいきしてないか?
- 自分が間違ったとき、謝っているか?
- 感謝の気持ちを相手にわかるようにあらわしているか?
- 自分の意見を押し付けていないか?
- 本当は自分のミスなのに、部下に責任を転嫁していないか?
- 相手が傷つくことを言っていないか?
- 陰口、悪口を言っていないか?
- ネガティブな質問をポジティブな質問に転換しているか?
- 意見を押しつけず、「君はどう思う?」と意見を聞いているか?
人に好かれる質問チェックシートもありました。
- 相手の良いところ、尊敬できるところを見つける。
- 出身地、学校、好きな食べ物、趣味嗜好など、さりげなく聞いてみる。
- 相手を褒めたか?
- 楽しいこと、嬉しいことを思い出させたか?
- 相手が自信ある話題を見つけたか?
- 相手が興味ある話題を見つけたか?
- 相手が心地よい話題を見つけたか?
- 相手が質問してきたら、同じ質問を返したか?
(人は関心があることについて質問する)
最後の章は「自分を変えるいい質問」です。
人生で成功するためには自己コントロールが不可欠ですが、自己コントロールをするための一番の近道が自分によい質問をすることです、と言われます。人生で成功するためのルールは行動法則があります。それは、①目標を設定し、②行動を起し、③成功するまでやり抜く、ことです。この3つを実現するには、自己コントロールが必要となります。自分の感情と行動をコントロールし、いつも目標に向かって突き進んでこそ、成功がすることが出来るのです。
著者は、①何を実現したいかありったけ書き出すことだと言います。②行動を起すにはどうやって目標を達成するかです。いつ、何をすればよいか考えることです。誰かの協力も必要でしょう。③失敗を乗り越える柔軟性も必要と言われます。一つの方法がダメだったら、他の方法を試してみなければなりません。粘りと柔軟性が不可能を可能にするのです。「どうしたら、もっとうまくできるのだろうか?」
著者は夜寝る前にフィードバッククエスチョンを行うことを進めています。
- 今日良く出来たことは何か?
- それは、なぜよくできたのか?
- 今後もできるためには、何を習慣にしたらよいか?
- 今日、反省すべき点は何か?
- それは、なぜ反省すべきなのか?
- 今後、よりよくするために、何を習慣にしたらよいか?
- 明日からやめた方がよい習慣や考え方は何か?
- 明日、必ず達成することは、何か?
大事なことは日々の取り組みであり、習慣化できることなのですね! さぁ! できることから取り組んでいきましょう。
(文:横須賀 健治)
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