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書評「1からはじめる」 講談社 松浦弥太郎(著)

by staff on 2019/1/10, 木曜日
 
タイトル 1からはじめる
単行本 178ページ
出版社 講談社(2018/9/18)
ISBN-10 4062210509
ISBN-13 978-4062210508
発売日 2018/9/18
購入 1からはじめる

「 “もうベストを尽くしました。自分はこれ以上できません、これ以上は無理です。” という姿を人にみせるな!」という所にきて、なにか探し物をしていて、見つけたというような気持ちがしました。松浦さんは「暮らしの手帖」を辞めたときに、「それまで蓄積してきたデーターはすべておいてきた。」と言われます。

「 “1からはじめる” というと、今までの蓄積がすべて無駄になってしまうと怖くなる人もいるかもしれませんが、しっかり自分の一部となっていたら、決して消えてしまうことはありません。そんな1があれば、再びチャレンジする力は十分蓄えられているともいえます。」1からはじめるとは、今ある自分を意識していくことなのだろう。

1とはなにか! という問いかけがあるわけでもない。
「コンピューターに関係なく、経験を重ねれば、たくさんのデーターを蓄えることになります。大人であればあるほど、困らなくなっています。これははたして、良いことなのでしょうか?」と問い掛けられます。「困らないということが、どれだけ自分に大きなダメージを与えているかということに、敏感になった方がいいのではないでしょうか。」と。そして語られます。「コンピューターにデーター化されている、あるいは自分が自分の中に蓄えている“うまくいったやり方”というのは、誰かが一度感動したことです。それを繰り返していたら、その感動はどんどん使い古されて、薄っぺらくなってしまいます。」松浦さんは言われます。「だから僕は日々増えていく “コピ-して使い回せるもの” は、今日にでも捨てたほうがいいと感じたのです。」

ルーチン作業をしている人は、逆に決められたことを決められた通りにやることが求められます。
ここで「1からはじまる」の効能を限られた人たちに著者は話をしてみたのだった。誰に! の問いかけ。
「僕が憧れている人に
すごいなぁ、と思っている人に
世の中の、成功者と言われている人に
数は少ないけれども見る目が確かな人たちに
“あの人はすてき” と認めらている人に」
「彼らは表現は違うものの、口々に、その通りだと。」
「自分が自分になれたのは、自分がこれだと思ったことを1からはじめたからだと。」

いつも最短距離を考えるという項があります。1から今すぐはじめたら、必要な時間はしっかりかけることだと言われます。

「花のつぼみが開くのが待ちきれなくて、無理やりこじ開けて枯らしてしまうのは、愚かなことです。」

「ゆっくりていねいに煮込んだほうが、おいしいシチューができるのならば、ゆっくりていねいに煮込みます。」

「然るべき時が来るまで、待ったほうがいいことはあるし、かけるべき時間をはしょってはなりません。」

ただしこれは、いくら時間がかかってもいいと言う意味ではなく、あれもこれも、すべてに時間をかけるという意味でもありません。時間をかけるべきことには時間をかける。しかし、時間をかけてもかけなくても変わらないことであれば、時間をかけず最短最速でやった方がいいと言われます。

リラックスして
いち早くきづく

「1から始める秘訣は、いつもリラックスしていることです。1からはじめるとはエネルギーがいることですが、リラックスしていないと何かあったときに力がでません。」「リラックスしていれば、自分の身に起こってもらいたくないことすら、否定的にならずにありのままにとらえられます。」そして「ゆったりとリラックスして観察し、いいことよりわるいことに、いち早く気づきましょう。問題がおきているとか、よくないことの知らせに誰よりも先に気づくことが大事です。」

第4章に「チャレンジを習慣にする」があります。「幸せとは勤勉の報酬であり、たいていの夢は勤勉な仕事で手に入ります。成功できるか、なりたい自分になれるかどうかは、どれだけ純粋に毎日の習慣を続けられるかにかかっているのです。」そして第4章のおわりは「仕事に限らず、何かに1から向き合ってみて、自分が楽しむための工夫をする。これこそ、ベンチャーな精神ではないでしょうか。だから1からはじめようと僕はたくさんの人に伝えたいのです。働くことを、生きていることを、もっと楽しむために。」

最後に著者はこう言っています「変わりゆく新しい時代には、新しいことを1からはじめやすいはずです。」これからの時代が楽しみになってきました。ありがとうございます。

(文:横須賀 健治)

 

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