考えてみよう「子ども」・「家族介護」のこと(第9回)
ある虐待事件から暴力防止について考えてみた
第9回 ある虐待事件から暴力防止について考えてみた
1月8日の読売新聞に、小学生女児への水風呂虐待の母親と内縁の夫が暴力的行為等処罰法違反に問われ、保護観察付きの執行猶予、母が4年・内縁夫が5年の判決が出たことと、執行猶予期間中に暴力防止プログラムを受けることを遵守事項とするといった記事があった。
虐待した二人が暴力防止プログラムを受けることには、反対ではないが・・事件となってはじめて、自分の暴力性について考えるためにプログラムを受けるということや執行猶予期間中だけで、人は変わることができるのだろうか。それで二度と女児に同じようなことは起きないのか?といった不安や疑問を感じた。
このプログラムは、暴行や傷害罪において実施されているそうだ。
また最近では、学校や教育機関でいじめの問題やドメスティックバイオレンスの問題でも適用されているらしい。
虐待や暴力・いじめは、家庭や学校だけでなく、職場や高齢者に対してなど、社会のあらゆる場所でおこっていますよね。
人の心はいつも穏やかとは限らないもの。誰もが不安定な心になってしまう可能性があり、怒りにまかせて、自分本位な行動をとってしまいその結果、人を傷つけることもあるかもしれません。
そう考えると、暴力防止を考えることは、他人事ではなく、誰もが必要なことだと思うのです。
また、暴力は、自分自身が人を傷つけることをしてはいけないという気づきがあって、はじめて、なくなってゆくのではないでしょうか。
アメリカで生まれた、アンガーマネジメントという自分の怒りと上手に向き合うトレーニングがあるようです。暴力防止プログラムやアンガーマネジメントを学ぶことも気づきを導き出すための一つの方法かもしれません。
でも、気づきの機会は、それだけでなく、自分の日常生活の中で、怒りや苛立ちの経験をした時にもあるのではないでしょうか。そこからも暴力という燃える炎を静めることができると思うのです。
例えば・・・ついかっ!となって、怒ってしまった時・・
深呼吸とか数秒間、間をおいて、気持ちを落ち着かせるという方法もあるようですが、その時の自分の気持ちはどうだったか?周囲の様子は?なんて、感情的にならないで思い出し、その時のことを整理して考えてみると、怒りの本当の原因やほかの方法などもみえてくるかもしれませよ。
何言ってんの!毎日忙しくって、そんなこと考えられない!なんて思われましたか?
でも、「忙しい」という文字は「心」を「亡くす」と書きますよね。そして忙しい時ほど、怒りモードに入りやすいのではないでしょうか。
子どものころ、母に「自分が、されて嫌だったことを人にしてはいけないよ」と言われました。保育の仕事をはじめてからは、子ども同士での小さなケンカや叩くなどの行為があった時、自分がされたらどんな気持ちになるのか、子どもたち自身で考えるようにしていました。子どもたちなりに、ちゃんと自分のことを見つめることができます。
暴力防止は、みんなが他人事ではなく自分のこととして、怒りや暴力を鎮めることを考え、行動することではないでしょうか。
筆者紹介
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