田中健介の麺食力-それから- 第22回 「麺食力出版の経緯」
第22回 麺食力出版の経緯
2010年に出版した自著「麺食力-めんくいりょく-」。横浜の麺料理とその周辺の情景を描きながらほとんど売れなかった可哀想な本。著者自身も出来上がった本に向き合うことなく、二回目の東京オリンピックがあろうことかコロナ渦により延期、政府からの緊急事態宣言も出て停滞し始めた2020年。出版丸10年となり、予定していたイベント企画もままならず、もうボヤくしかない企画の今回が第二十二回目でございます。
「麺食力」刊行10周年トークイベント開催未定のお知らせ
3月25日(水)に予定し、新型コロナウィルスの影響による政府方針や諸般の事情も踏まえ、延期となった本イベントは、無期限延期中です。緊急事態宣言も解除されましたので、今後の動向を見ながら、関係各位と話を進めていきたいと思います。
詳細が分かりましたら次号以降でお知らせ致します。
今回も取材へ赴くことは自重しておりますので、この「麺食力」出版までの経緯を詳しく綴りたいと思います。
本稿第一回「それから」 でも記述の通り、私は横浜地域SNS「ハマっち!」内で2007年より「ハマの麺食い男」と称しては横浜市内の麺料理をレポートするブログを書き続けておりました。
その中で知り合ったのが、山本力氏という初老(?)の人物。時々思い出したように連絡は取り合っている関係ではあるのですが、未だに年齢を知りません。私(今年四十四歳)よりもだいぶ先輩であることは間違いないです。
新聞記者などを経て、日経トレンディの副編集長などを務めるなど、さまざまな媒体を渡り歩いた編集のプロフェッショナルである山本氏。そういう世界を知らない素人の私のブログを日々絶賛してくれていました。
2010年の1月。山本氏から「私の後輩が書籍出版に携わっていて、面白い出版ネタを探している。私は田中さんのブログを薦めてみたので、田中さんに異存がなければ、お話しませんか」と、メールが届いたのです。
まあこのメールの一文だけではすんごく怪しいのですが、何度かお会いして山本氏が人を騙す様な人間性ではない、根拠はないけど信頼感を持っていましたので、お話くらいは聞いてみよう、ということになりました。
呼び出された場所は渋谷のセルリアンタワー東急ホテルのコーヒーラウンジ「かめりあ」(現在はガーデンキッチンとして業態変更)。一杯1,000円以上もするエスプレッソをいただきながら、山本氏と、山本氏の後輩にあたる書籍出版に携わる渡邉譲氏より私のブログを出版化したいという先方の意向を聞きました。
もともと知的財産領域の検定本の出版などを専門としていた会社で、そこに属す渡邉氏が一般書も出していきたいということで、私に白羽の矢が立ったのです。
あくまで商業出版としての話でしたので、私に金銭的なリスクはないわけです。
何か世に残しておきたい、と始めたブログが、紙の本で残していただけるわけですから、こんなに嬉しい話はないでしょう。「私で良いのであれば。」二つ返事で了承致しました。
それが3月下旬に出版したいという話へ展開します。
ここからが大変です。165回を数えた「ハマの麺食い男」のブログを書籍用に最適化する作業が始まると同時に、全165店舗へ掲載許可をもらうべく連絡を取ります。
書き溜めたものを本にする、となると楽に思うじゃないですか。
全く逆です。誤った情報もあったりするわけです。それらすべてを確認し、書き直すのです。
当時私は食品工場の工場長をしておりました。ちょうどこの「麺食力」校正作業と重なって、社内の別事業の催事が入り込み、早朝から深夜まで製造ラインをフル稼働するようになりました。人手は限られているので、私も製造ラインにどっぷり入り、発注作業もままならず、足りない材料の調達に追われたり、そんなてんやわんやで終えた一日の最後に編集作業に取り組みます。何度徹夜したことか。
2010年3月に刊行された著書「麺食力(めんくいりょく)」の表紙&裏表紙
そうしてオファーから1か月半という突貫作業で「麺食力」は刊行されたのでありました。
筆者紹介
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ヨコハマNOW 動画
新横浜公園ランニングパークの紹介動画 | ||
ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。 |
横浜中華街 市場通りの夕景 | ||
横浜中華街は碁盤の目のように大小の路地がある。その中でも代表的な市場通りをビデオスナップ。中華街の雰囲気を味わって下さい。 |
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