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忍ぶれど 色にいでにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで

by staff on 2012/3/10, 土曜日

♪忍ぶれど 色にいでにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで♪


絵・千絵崇石
 

 読み人:平兼盛(たいらのかねもり)

 この歌は、訳さなくてもきっと誰にでも思い当たる体験や情景があるのではないかしら、そんな思いが強いのであえて現代語訳は省きました。私の場合は恋に落ちたときは自分がとても弱く傷つきやすくなってしまうので、誰にも言いたくありません。でも不思議です、そういう時に限って不意を突かれるように「あら貴方、最近恋してるんじゃない?」なんてズバッと言われてしまいます。後になってみればなんて素敵な体験だったのかしら、もう一度恋してみたい。と思えるのですが、恋に落ちているその瞬間はハートの真ん中が制御不可能になって、むき出しの心にちょっとした風もひりひり痛んで大変だったのを覚えています。「恋してるんでしょう!!相手は誰?」なんて他人に茶化されたくもありません。「恋わずらい」とは

よく言ったもので、恋とはそのくらいデリケートな感情です。霊視能力のある知人に聞いたところオーラがピンク色に変わるんですって。

 さてこの歌には国文学史上から見ても、特筆すべき、有名なエピソードがあります。
 時は西暦960年(天徳4年)の3月30日に宮廷で催された歌合わせでの出来事。
 この歌合わせの事はとても有名で「天徳内裏歌合わせ」と言われて歴史に残されています。この歌合わせのスタイルが以後のお内裏で行われる「歌がき」セレモニーの模範になったそうです。時の村上天皇は、ばりばりの35歳。インテリで芸術的な事にはとても積極的な人でした。きっと華麗で豪華な歌合わせだったのでしょう。そんな一世一代の歌わせで、最後に競われた恋の歌の部門。大詰めのクライマックスに披露されてもう一つの歌(壬生只見の首)と甲乙つけがたく、その場にいた審判や選者達はみんな引き分けと思っていたのですが、ふと村上天皇がこの歌を口ずさんだので、この歌に軍配が上がったと言われています。私にとってこの歌は、初めて「和歌うた」の組曲として第一番目に選んだ歌なので感慨深いものがあります。マウイ島のカレッジ在学中に、コンピュータラボでネットを通して見つけた百人一首から無心に選んだこの歌に、超有名なエピソードがあったなんて。

 1052年前に生きていた35歳の村上天皇がふと口ずさんでいた。と言われるこの歌の素晴らしさは、その美しい音としての響きの中に、そして現代語訳を見なくても殆どの日本人が理解できてしまう普遍性の中にあるのでしょう。この歌の持つ「事の葉」の響きに時代を超える大和言葉の美と生命力を感じてしまう私です。
 次回はこの歌とペアで競われた恋の歌です。 早苗ネネ♪

毎月第2金曜日 3月9日、4月13日
6時30分~ 3回ステージ ¥5500ワンドリンク付き 入れ替えはありません。
出演:早苗ネネ パリ祭出演の歌手の方々2~3名。
新宿シャンパーニュ 電話 03-3354-8540(昼) 03-3354-2002(夜)
新宿一丁目。元新宿厚生年金前。http://www.champagne-live.com/

 

早苗ネネさん プロフィール

木々や鳥や魚や精霊…人間以外の存在達との交流が当り前に語れるくらい、いのちのひろがりに気づくと、共に生きている喜びや、苦しみや悲しみにもナイーブになる。

心と野生がひとつながりになると……こんな風に人は年を重ねられる。ひとりひとり、ユニークにもっと自分になれる。

早苗 Nene さんは、そういう人生の先駆者です。 感性を解放しながら、40代で高校生に仲間入り卒業後、マウイのカレッジに留学中、突然半生記が受賞しました。

そんな新たなシーズンを迎えて、今エッセンスを分かち合いたい。

<天性の歌い手>というだけでなく、その存在感、溢れる活性のバイブレーションは、光のシャワーのよう。彼女と語り歌い、魂の成長を旅している現在の、自分の位置を確かめてみませんか?

早苗ネネさんHP

 

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